福山は、山と海と川と古い街並みと新しい町のある、とても住みやすいところ。
尾道にも倉敷にも近い。
今日はスケッチに出かけた。
朝5時半に出発。日の出は6時35分。海辺で朝食!
月が山上に浮かんでいる。 青い空と丸い月。
その静かな空間は、平山郁夫の世界。
父の実家のある田島へ、カーブした独特な形の橋を渡っていく。
造船所の光がキラキラと水面に映って、とても綺麗。ヴィタリエがとくにこだわっているのは、山の青。山のシルエットは、時間帯や天気によっていろいろな青に見える。
「あの青、見てごらん!あれだよっすごいだよ!あの青は感動だよ!」
たしかに、昼間とはまた違う青。
浜辺に到着。
誰もいない海辺。 波の音に心が洗われる。
海辺で食べる熱々のカップ麺は最高!
茜色に染まる荘厳な空。温もりと平穏に包まれる。
防波堤での朝食後、ヴィタリエは早速、お気に入りのホルベインのリュックを背負ってスケッチに繰り出した。
と思ったら、波打ち際からいびつな声、、、どうやら足を滑らせた様子。気をつけてね!
蜘蛛の巣。
丈夫に編み込まれている
広島は牡蠣の産地。
昔は、「流れ牡蠣」といって、長い間波に揉まれてたどり着いた大きな牡蠣があったという。角も取れて丸くなった牡蠣で、中はぎゅうぎゅうにつまった巨大な牡蠣。とてもおいしかったらしい。
今でも無人島には流れ牡蠣がいるかもしれない。
海岸を歩くと天然の岩牡蠣が沢山ついているのが見える。テトラポッドや岩にも。 とれたての新鮮な牡蠣はレモンを絞って食べるとまるで生クリームのようで、非常に美味♪
そういえば父が子どもの頃、なんと牛肉が海から上がったことがあるそうだ。
当時はまだ 贅沢品は買えない時代。しかもなぜ海から?!
実は、漁業で底引き網をあげると、魚に混じってタワシ、焼き網など、いろいろなものが採れた時期があった。そして、缶詰にされた牛肉も沢山あがった。
転覆した船の積荷が海底に沈んでいたので、肉食べ放題だったというわけ。
何やら高級そうな箱もあり、箱を開けるとまた箱、その中にもまた箱、、と何重にも包装され、さいごに銀紙につつまれた小さな羊羹がでてきた。
昔の羊羹は、添加物や農薬も少なく、さぞ美味しかっただろうなぁと想いをはせつつ、、、。
フジツボがついた岩
気持ちの良い海辺を歩いて行くと、桟橋に繋がれた船のロープにも、大きい牡蠣がついていた。
ヴィタリエはあちらでスケッチ、こちらでスケッチ…と大満足!漁村、海岸など、全てが新鮮だ。
特に、鞆の浦や、その隣町の田尻はお気に入り。
中でも、田尻にあるバラ園には足繁く通っている。
帰り道、田島から鞆の浦へ抜けて雰囲気のある古い街並みを通りすぎ、田尻のバラ園と菜の花畑へ。
暖かい太陽の下、潮風に吹かれながら見る春の景色。
今回ヴィタリエが狙っていたのは、「あんずの花と海」のコンビネーション。
残念!あんずの里 田尻があんずでいっぱいになるのは、もう少し先。
「あんずが咲いたらまた来るよ!」
ヴィタリエの目は海のようにきらきらしていた。
[投稿 ヴィタリエの妻]
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ヴィタリエ ズブコが描くのは 画家の感性がとらえたひとコマ それは観光スポットでもなんでもない 大抵は通り過ぎてしまうような場所 そんな何気ない場所に 彼の心を惹きつける宝がある 優しい海風に吹かれながら歴史を温めてきた街 瀬戸内の宝