来日後間もなく足を踏み入れた植木の世界。
このページでは 備忘録も兼ねて植木職人としてのヴィタリエ ズブコのヒストリーをまとめています。
植木職人への道
北京留学時代には水墨画を専攻していたため山水は馴染み深いものでした。その中には美しい庭がモチーフのものも多々。
しかし、北京では実際にそのような美しい庭を目にすることはありませんでした。
やがて北京に留学していた日本人女性と結婚し、大学卒業後日本へ。
はからずも、造園の盛んな埼玉県深谷市に住むことになります。
赤城山、浅間山、榛名山、妙義山、、、北関東の素晴らしい山々を背景に広がる静かな山水の庭。
恋焦がれていた山水のリアルな世界を目の前に、心が震えます。
日本語は全くわからなくとも、日本の心、日本の美が臨場感溢れて迫ってきます。突き動かされるようにキャンバスや和紙に次々とその感動を表現していきました。
やがて自分でもこの美しさを作ってみたい!という願いを持つようになり、自分の納得する植木職人を探し始めます。
そして、とうとう庭師の世界に弟子入りします。
職人の世界では、「見て学ぶ」がモットー。
言葉があまりわからないヴィタリエにとっては好都合ではありましたが、なぜ?どうやって?疑問だらけ。
それでも 懸命に身体中の感覚を目に変えて親方から学んでいきます。
「それ、自由に切ってみて」
お許しをもらい、初めて剪定したのは剪定ゴミを捨てる場所に生えている自然の木。
出来上がった木を見た副社長 、頭を抱えて絶句、、、。
その後、会社の職人さんに「ヴィタリを教えてやって」と頼んでくださり、竹の縛り方、日本庭園の木の切り方などいろいろ学んでいきます。
また、会社の植木畑の木を練習に使っても良いと許可をいただき、毎日仕事の後はトレーニング。初めはダメ出しばかりでしたが、だんだんと上達していきました。
2度とない素晴らしいチャンス
深谷市でお世話になった造園会社はいくつかありますが、一番最後に勤めたのは、進取の気性に富む若手の社長が営む山一造園。
自然の恩恵を肌で感じられる「水と雑木の庭」を作庭するお洒落な造園会社です。
社長は、剪定だけでなく、池の作り方や石やレンガの積み方など丁寧に教えてくださいました。ヴィタリエを信じて、センスと技術を庭に表すチャンスをくださいました。
2017年 第8回世界盆栽大会INさいたま
北関東の凄腕の庭師たちと共に働くチャンスをいただいた。大会中には世界からのお客様を接待。日本の盆栽や庭に注がれる世界の熱い眼差しと熱気を肌で感じ、感動の毎日だった。

2017年 第33回全国都市緑化よこはまフェア
横浜レンガ倉庫と同じ時代の深谷の上敷免レンガを丁寧に積みあげた。酒井社長デザインの、歴史と現代が融合する素敵な庭を皆で短期間で作り上げた時の感動は忘れられない。

山一造園では、庭師の技術と職人の心得を教わりました。酒井社長にはとても感謝しています。
そこで身につけた技術と心得が、ヴィタリエの植木職人としての道を確立してくれたと言っても過言ではありません。
2023年からヴィタリアートプロデュース「植木屋モネ」として活動しています。




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